チバニアン

時を紡ぐ~Japan~

2017年11月のニュースと、度々触れていたBLOG内容を短縮再掲載

2017年11月。「今から約77万~12万6千年前の地球に対する年代名が「チバニアン」(千葉時代)と命名される見通しになった」という唐突なニュース報道に日本中が湧いた。報道内容では、「この年代の基準地として千葉県の地層を国際学会に申請した日本の研究チームが、競合するイタリアを一次審査で破った。これが正式決定すれば、地質年代としては初めて(申請名のチバニアンという)日本の名前が付く。これは快挙である。」という事だった。

産経.comニュースサイトより画像引用。

地球を知る為の様々な科学(総じて地球科学)の重要性については言わずもがな。地球誕生(成り立ち)や環境変遷が解明されていくことは、現代社会や未来社会にとって大変貴重な財産になる。
ユネスコ機関の一つである国際地質科学連合(International Union of Geological Sciences; IUGS)では、地球の成り立ちから現在までの基礎となる「時間の尺度の標準化」を目的として、各年代(=地質時代)の境界を地球上で最も観察・研究しやすい1箇所を認定している。それが国際模式地(=国際標準模式層断面とポイント)と言われるもので、略して「GSSP」。

千葉県市原市田淵の養老川岸の地層(=千葉セクション)は、チバニアン紀(約77万年前~約12万6千年前)を知る為のGSSPという事になった。「世界の千葉」「地球のチバニアン」である。勿論、現在の日本人の祖先なんてまだ誰も住んでいない年代の事だけど、そのような地球的(世界的)地域に、日本人が国家を成す暮らしを始めたことが素晴らしい。もっと言うなら・・・

今後、世界中の教科書で、「およそ77万年乃至12万6千年前の地球年代をチバニアンと言う。この時代名称の基準となった地層は、日本国の千葉県市原市田淵にある。チバニアン年代の地球人類には、原人類のピテカントロプスや旧人類のネアンデルタール人などがあった。」等の文章が載る。世界中の少年少女が、テスト答案でチバニアンという言葉を書き、その言葉を覚えた人達の中には、千葉県を訪れる人が必ず出て来る。世界中の子ども達が「チバニアン紀の地球はどうだった?」と興味を持ち、引いては日本にも興味を持ってくれるわけで、これが正式に決まるなら夢のある話です。

ニュース記事では、「来年(=2018年)にも見込まれる正式承認までさらに3段階の審査があるが、過去に作業部会の結論が覆ったのは例外的なケースだけで、事実上の決着となった。」とあるので、選考のライバル・イタリアが申請している「イオニアン」にひっくり返される心配は殆どないようです。

それでも何が起きるか分からないのも国際社会のこれまでの事なので、今までは覆られなかったけれども、日本に限って覆ってしまうことが100%起きないとは言い切れません。何か心配なことがあるとすれば・・・

「千葉県の起源は韓国!」とか、(だから)「韓国の地層こそが選定されるべき!」とか「チバニアンという言葉の起源は韓国!」とか・・・、起源説に強い拘りを持つ隣国が何かを言い出すことくらいですかね。でも、千葉県の起源は韓国であるとか、チバニアンという言葉の起源は韓国であるとか、確かに言い出しかねない人たちです。満更有り得ない話ではなく、日本列島は、アジア大陸から引き剝がされて出来上がったことはほぼ事実。ですから、「日本の起源は韓国」「千葉の地層の起源は韓国」という事くらいは言うでしょう。77万年も遠い昔に、人間の国家などというものが存在していなくても、韓国だけは存在していた?・・・実に滑稽で面白き国です(笑)

千葉=韓国起源は冗談にせよ、韓国内の地層を必死に調査して、「チバニアンは嘘!」とかは必ず言うでしょうし、韓国の教科書には、正式承認されて以降も「チバニアン」の表記は載らないでしょう。

以上のような内容のBLOG記事を書いた約1年後、懸念されたことが起きてblog記事を書いた。
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今年(2018年)の春、チバニアンを強く否定する人たちが(何と)日本国内から現れて、データねつ造を言い出した。それにより、「イオニアン」主張派が活気づいてチバニアンの審議が中断してしまいました。
審査機関内部で喧々諤々の議論があり、紆余曲折した模様。今年(2018年)7月末頃のニュースでは、データねつ造疑義の判断が先送りされ、審議が再開したという報道があった。東京五輪開催までには第4次審査も終わり、可否の判断が下される見通しですがどうなることやら。全く予断を許さない状況にある。決まったら嬉しいけど、もしも否決となれば、地層以上にこの日本という国の人間関係は根深く複雑ということになる?寧ろ、そっちの解明・研究の方が急がれるし面白いでしょう。
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という状況にチバニアンは陥っていた。ところで・・・

チバニアンのデータを「データ偽装だ!ねつ造だ!」と発狂した人達は、「古関東深海盆ジオパーク認証推進協議会」とかいう、一応は日本人の学者達らしい。けれども本当に日本人なのかどうか。

兎に角、チバニアンが正式承認される為の活動をなさっている茨城大学と国立極地研究所の人達の成功を強く願います。結局、まだ候補地の域を出ていないけれど、しかも、国内からも承認を邪魔するようなグループがあるけれども、「頑張って!」。

2019年8月19日、千葉セクションGSSPの提案申請書が提出され、第三次審査の開始が発表された。2018年には決定すると言われていたが、既に1年遅れ。正式決定(発表)までには更なる時間を費やすことになります。

地磁気の逆転を立証したのは日本人

チバニアン以外の有力な対抗地として挙がっている「イオニアン」。その名の由来地は、イタリア南部のモンタルバーノ・イオニコ。

そもそも、何を基準にした年代なのか?どうして日本とイタリアという遠く離れた地点が候補地なのか?という疑問を持つ人も少なくないと思います。不肖私も、申請に携わった人たちによる「千葉時代(チバニアン)の解説」というWeb-Siteを読ませて頂いて、ほんの少しばかり理解出来た一人。本当に理解出来ているかどうかは・・・。「千葉時代(チバニアン)解説」のURLを紹介したいのですが、リンク申請するのもおこがましいので済みません。その名前で検索すれば一発で辿り着きますので、詳しくは、是非、申請された方々のサイトを訪問して熟読されて下さい。

で、時代の基準は何なのか?ニュース報道でさんざん聞かされ覚えている人が大半でしょうけれど、不肖私の備忘録として書いておきます。

簡単に言えば、最も最近に地磁気の逆転(つまり、N極とS極の反転現象。南極が北極になる=北極が南極になること)が起こった年代が今から約78万年前、或いは77万年前頃とされ、それが地層にはっきりと表れている(残されている/刻まれている)のが千葉セクション。地磁気の逆転現象は、過去3600万年間で11回という結構高い頻度で起きている。(※地磁気の逆転が起きた時、どういう(破壊的)現象が起こるのかは分からない。それは、科学者達も”恐ろしくて”あまり考えたくない事のようです。)

地磁気の逆転現象が起きるということを世界で初めて唱えた学者は、フランス人の地球物理学者ベルナール・ブリュンヌ。1906年頃の発表だが、まだ、この段階では説(仮説)に過ぎなかった。しかし、1929年に、これも日本の研究グループ(当時の京都帝国大学・地球物理学教授の松山基範がリーダー)が地磁気の逆転現象を発表。兵庫県の玄武洞や中国北東部などで採取した火山岩の磁気測定結果(残留磁化測定結果)が証拠として添えられた。しかし、当時の国際社会は、日本を蔑視していたのかすぐに取り上げられる(検証される)ことには至らなかった。

チバニアンは、日本物理学界のプライドでもある?

ところが、第二次世界大戦後の1950年代に入ると、英国を中心にして古地磁気学が著しい発展を見せ、松山博士の発表したデータの正当性が広く認められるようになった。そして、地質時代で最後の逆磁極期(249万年前~72万年前)が、「松山逆磁極期」と命名された(その後、258.1万年前~77万年前と訂正されている)。更に、ブリュンヌ博士の功績と共にそれを立証した松山博士も称えられ、約77万年前というこの年代を「松山ーブリュンヌ逆転」と命名された。そして千葉セクション/チバニアンは、今は亡き松山博士の遺志を継ぐものと言える。絶対に、日本こそが(誇りをかけて)得なければならない年代名です。それを妙な嫌がらせで邪魔する人達は、とても同じ日本人とは思えない。

という具合に、この事には凄く興味があって何度か拙記事を書いたのですが、2020年1月、遂に、チバニアンは正式承認に至ります。千葉県の人達、良かったですね。と言うか、日本全国民が万歳!でしょう。ところが、コロナ禍で大きな話題ではあったものの祝賀ムードという事でもなかったような。

しかし、これで地球科学の中に、チバニアンという地質紀名が刻まれ続けることになりました。子供たちの教科書にはもう掲載されているのでしょうか?子供いないし分からないけど、目出度し!です。

最後に、千葉県が高校生向けに広報しているチバニアンのPR画像を載せておきます。

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