米国は軍縮出来ない。その滑稽な理由・・・

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世の中に得体の知れないものがある限り、人類は、その得体の知れないものへの対抗策を用意しようとする。
そもそも得体が知れないのだから必ず存在するとは言えない。が、得体の知れないものが”有る(在る)”という前提で考えてしまうのも、ホモ・サピエンスが(脅えることを知る)人類であるが故。

人類は、常に(実体の無い)得体の知れない何ものかと向き合っている。
得体の知れないものとは、「超能力」「幽霊」「妖怪」「悪魔」「鬼」「死後の世界」他、様々。そして「宇宙人(宇宙生物)」「未確認飛行物体(UFO)」も、それら得体の知れないものに属する。
得体の知れないものは全て敵!と決め付ける理由は何も無いが(悪魔でも幽霊でも鬼でも宇宙人でも、物語によっては、人気キャラクターになるし)、得体の知れないものの存在を信じている者達の中には、得体の知れないものは人類の敵になり得るという考えを持つ者がいる。そして、実に滑稽な話だが、得体の知れないまだ見ぬ敵と、今、この瞬間も、懸命に、”戦い続けている”人達がいるからこそ、この世界の科学・技術は進化しているとも言える。

SF作家(小説家、漫画家、他)は空想を絵や文章として描くが、得体の知れない敵を倒す「知恵」や「武器」が地球上に”有る”、或いは”作り出される”前提で描く場合が少なくない(と言うより、殆どの場合はそのような事になる)。そういう物語に憧れ、ワクワクさせられた少年・少女達、そして大人達の中には、読んだ話、観た絵、映像に本気でのめり込む人が数多いる。御伽噺と決め付けられていた幻の都市国家トロイアを幼少期から「絶対にある!」と信じて、大人になって発掘成功して世界の歴史を大きく変えたハインリヒ・シュリーマン(ドイツの実業家、考古学者。1822年1月6日生~1890年12月26日生)は、顕著な例と言えます。逆に、自説を曲げたくないばかりに、発掘データを捏造した人達もいるのですが・・・

月や星を見て、地球も宇宙の中の天体の一つと理解した人、地球が丸いことを証明した人、地球の主が恐竜だった時代を証明した人、等々、「不思議」を不思議では終わらせなかった人がいるからホモ・サピエンスは”賢く”進化した。目に見えることでもまだまだ多くの解けないものが不思議・謎として残っているが、得体の知れないものを解き明かす知りたい欲望が続く限り、大発見、大発明はまだまだ”星の数ほど”起きます。

世界の先端企業で働く人達、大学や研究機関で働く人達、学ぶ人達、その他多くの人が、子どもの頃から想い続けた「得体の知れないもの」を追い求めている。そして、彼らの「知恵」や「工夫」は軍産(軍需産業)技術に活かされ、開発された兵器は軍隊が持つ事になる。軍産で二次発展、三次発展した技術がまた様々な分野にフィードバックされて技術は進化する。という流れが実用科学や実態経済を支えてもいるけれど・・・
アメリカ合衆国軍(以降、米軍)の研究部署には、「得体のしれない”敵”」に備えようと、日夜、謎だらけの、何の役に立つかも分からない研究に勤しむ者達がいるらしい。

得体の知れないもの(特に、地球外生命体)は必ずいる。そして、いつか必ず”奴らは”襲って来る。そのように信じて疑わない者達は全世界にいるけれど、そんな空想でさえ仕事に出来るのがチャンスの国、夢見れる国、自由の国アメリカ。だからこそ、世界中から色んな発想が出来る人達が集まって来る。そして・・・
アメリカにしか造れないような「攻撃」「防衛」の為の武器の数々は進化し続け、当然ですが高額化する。それを日本政府などが購入する。「どうしてそういう高額な軍事技術(兵器)が必要なんだ!」と、日本では”得体のしれない相手用”の武器購入が常にやり玉に上がるが、日本の経済事情・政治事情などを、得体の知れないものと”向き合っている”人々は全く考慮しない。

開発したものは試してみたいと考えるのが当然。だから試す相手が必要となる。試さないと次の技術発展に繋がらない。しかし、得体の知れない敵はまだ現れない。ならば、地球上に存在するものを「(人類社会にとっての)得体の知れない敵」と見なすしかない。

軍産分野に属する者達には道徳など通用しない。何せ、「得体の知れないもの」を相手に、全世界、全人類・社会を守る使命を得ていると頑なに信じているわけですから。

「得体の知れないもの」を倒す、自分達こそが人類・社会にとって唯一の救い神。本当にそういう信念を持って生きている。そのくらい思っていなければ、気が狂ってしまうでしょう。何せ、相手は何者か分からない得体の知れない者ですから。そのような相手(=得体の知れない敵)が実際現れたら大いに困るが、そういう存在を否定したら仕事にならない。食えない。生きていけない。生きる目標を見失う。

世界各国に対して軍縮を訴える米国だが、米国自身、「得体の知れない大敵」がいつかは必ず襲来して来るという可能性を排除出来ない以上、軍縮は絶対に無い。得体の知れない敵はまだ現れてないが、得体の知れない敵はいつか必ず現れる。その「いつか必ず」の前提で訓練している。訓練では済まず、実戦で試す事もある。「神の如き、悪魔の如き、とんでもない新兵器」の”実験台”に試される相手にとっては大迷惑な話。しかし、米軍はいざとなったら何だってやる。日本人は、原爆の実験台にされた。米国のやり方をイヤという程、身に染みて分かっている日本は、二度と、米国から、得体の知れない相手として想定されないように全てを晒して隷従している。

「得体の知れないもの」が姿形を見せるまで、米軍と軍産は”発展”を止めない。この理屈を理解しているのか理解していないのか知らないが、中国共産党政府は、米国に対して対等な位置に立とうとしている。中国の意を汲む北朝鮮も。だが、米国の軍縮出来ない理由=「得体の知れない者との戦いが終わるまで」ということを理解出来ていないとしたら、中国も北朝鮮も辿る運命は破滅だ。「そんな馬鹿な」「有り得ない」という話に対して大真面目に挑んでいる米国こそ、この上ない得体の知れない”存在”と言える。

地球の為に、人類の為にという事を滑稽な理由ながら真面目に実践している米国。方や自分達の都合と利益しか考えていない中国。前者が勝つでしょうけど、もしも後者が勝つようなことが起きてしまえば地球人類の科学・文化は全て廃れる。夢を伴わない特定利益の為だけを追求する覇権主義国家は未来を潰す。

しかし、そもそも、月に行くのがやっとの地球人が、もっと先から高度な宇宙旅行をして来るような地球外生命体に対して立ち向かえる筈もない。でも、そんな事を言っても軍産関係者には相手にされない。「・・・筈も無い」事をクリアする事を使命としている人達の仕事を奪い取ることは不可能だ。

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