現生人類ホモ・サピエンスの「歴史」は７万年しかない。しかし、地球人類そのものは、約２５０万年前から生活圏を築いていた。その約２５０万年間、地球人類は滅亡と誕生を繰り返し、新たな人類として生まれ変わる度に、姿・形・生活様式を変えた。ホモ・サピエンス以前の人類に、文化と呼べる何かがあったかどうかは分からない。が、共通する文化は恐らく無かったから理解し合うことなく旧人類は滅び去り、新人類だけが生き残って来た。
ホモ・サピエンスも、いつかは、過去の地球人類のように滅亡しその姿を消す。但し、旧人類が滅亡を繰り返したことを何となく知っているホモ・サピエンスは、滅亡しない為の革命だって起こせるかもしれない。老い先がそんなに長くは残されていない不肖私などは、滅びない為の大革命が起きることを残念ながら見ることはないだろう。けれども・・・
権力者の欲深さは留まるところを知らない。クローン化やサイボーグ化、ヒューマノイド化等々含めて、「脳思考」や「心」さえも科学力で作り出そうとする試みが急ピッチで進行中であり、欲深き権力者達は、永遠の命を本気で手に入れようとしているであろう。永遠の命という捉え方ではなくても、自分の思い通りの世界を未来永劫築く、そして自分自身に「死後」を与えず、支配し続けようと本気で考えている。だからこそ、権力者は法を強行的に変えて権力の座に居座り続ける。
ホモ・サピエンスの文化は、認知革命、農業革命、科学革命など、大きな革命が齎せた産物ですが、実はこれらの革命は現在も進行中であり、ホモ・サピエンスの意を汲む新しい”サピエンス種”を生む可能性を秘めている。つまり、人間ではない人間擬きが人類然として地球の主になる。その未来の地球人の時代になっても、今の権力者たちは君臨しようと望むわけです。
でも、権力者の強欲さなどは宗教の恐ろしさに比べたら可愛いものです。
旧人類達が、同じ人類同士で大規模な殺し合いを行っていたかどうかは分からない。が、ホモ・サピエンスの歴史は戦争の歴史と言って言い過ぎではない。そして、戦争要因に宗教が絡むことが実に多い。
『サピエンス全史』の著者であるユヴァル・ノア・ハラリ氏は、１９７６年にイスラエルで生まれた人です。イスラエルの近隣諸国には、１０歳にもなれずに命を取られる子ども達が大勢いる。子どもにまで武器を握らせて来たのがホモ・サピエンスの歴史ですが、歴史は止まっているわけじゃない。ゴールのない歴史だから、この先の歴史がどうなるかは私たち次第。せめて、子どもを戦争で殺す、子どもが武器を取って殺しに参加する、そのような事だけでも根絶出来るような歴史に変えて欲しいものです。
紀元前５５０年頃の王様達の多くは、「全世界を、その居住者居住者全員の利益のために（一人の王が）支配する」という思想を持っていた。強国化を目指すのが当たり前だった時代の王も、（自分の国の）民の幸せを希求した。全世界の民を一人の優れた王が支配すれば、全地球の民は幸せになれると思い込んでいた。つまり、王の考えにそぐわない者は、幸せ化の邪魔をする敵という思い込みだ。
現代の為政者達も、紀元前５５０年頃の王と大して変わらない考え方を持っている。
ハラリ氏曰く・・・
===以下、『サピエンス全史』より引用===
進化の結果、ホモ・サピエンスは他の社会的動物と同様に、よそ者を嫌う生き物になった。サピエンスは人類を「私たち」と「彼ら」という二つの部分に本能的に分ける。「私たち」はあなたや私のような人間で、言語と宗教と習慣を共有している。「私たち」は互いに対する責任を負うが、「彼ら」に対する責任はない。「私たち」はもともと「彼ら」とは違うのだし、「彼ら」にまったく借りはない。「彼ら」には「私たち」の縄張りに入ってきてもらいたくないし、「彼ら」の縄張りで何が起ころうと、知ったことではない。「彼ら」はほとんど人間でさえない。
===以上、引用終わり===
人間以外の動物、文明人以外の未開人、自国民以外の他国民、家族以外の他人、仲間以外の他人・・・などなど、”自分”以外の他人のことなどどうなろうと知ったことじゃない。という考え方が人間様の本性である。そして、自分とは違うものを信じる相手など「人間じゃない」という考え方にもなるのでしょう。・・・一神教の人たちにはそうなのでしょう。
ハラリ氏は凄い人だと思う。尊敬する。でも、そういう尊敬出来る凄い人が生まれるイスラエルは、パレスチナ人を皆殺しにしてでも自分達の理想の生活圏を構築しようとする。
イスラエルの言い分では、古代パリシテ人である証もないのに其処を故地だと言い張り居座って出て行かないのがパレスチナ人。古代イスラエルの末裔たる自分達（現代イスラエル人）のみが正当な住民。そのことは、国際社会が公式に認めた。パレスチナ人には、彼らに必要な土地は与えたのだから、その事に感謝して大人しく其処に暮らしているべきなのだ。しかし、彼らは大人しく暮らし共存共栄を目指すどころか、ハマスなどは傍若無人で非道なテロを繰り返す。もう我慢の限界だ。少なくともハマスは完全に殲滅する。それを庇うのならハマス以外のパレスチナ市民も同罪だ。
確かに、古代パリシテと現代のパレスチナの縁故関係は何も認められていない。今のままではパレスチナ人は単にアラブ系遊牧民部族で、其処にパレスチナ国家を名乗れる特別な人たちではない。かと言ってこの地球上のどの国家も、パリシテ人を標榜しその末裔だと”騙り”引くに引けないでいるパレスチナの彼らに、新たな居住域を用意しようとはしない。周辺アラブ国家の何処も、イスラエルとの戦いを支持するとは言っても、生活圏の保障を約束しない。
「全世界を、その居住者居住者全員の利益のために（一人の王が）支配する」という考えが何千年も続いて対立しているに過ぎないのがアラブ社会（イスラム教社会）とイスラエル（＝ユダヤ人）。イスラム教徒もユダヤ教徒も（イスラエルに住まうキリスト教徒達も）、絶対に相手の宗教に鞍替えなど出来ないのだから、其処を一つの宗教で支配するのなら、相手宗教信者を皆殺しにするか完全に追い出すしかない。でも・・・それ（暴力的手段）しかもう残されていないのだろうか。未来永劫支配者でいたいと願っている世界の権力者たちは、解決の政治的知恵は持っていないのか。
人類であって人類じゃない、宗教など必要としない擬き人類達が地球の支配者になる時まで争い続けるしかないのかね。ガザ・・・報道で見る以上に地獄の様相なのでしょうね。
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