テュルク(2)

東欧史

現代のテュルク系民族国家

突厥を、トルコ族(テュルク)の直祖と見る場合、突厥の最大版図を踏まえてテュルクの足跡を推定すれば、中央アジア、シベリア、西アジア、北アフリカ、インド北部、東南アジア、東欧の特に黒海周辺~パンノニア平原~ボヘミア辺りまで、ユーラシア大陸の6割くらいに及ぶ。それだけの広範囲にテュルク系の部族や国家の歴史が刻まれた。そして現在でも以下のようなテュルク系民族国家が存在する。

独立主権国家群

 トルコ共和国(国民人口約8500万人/テュルク系トルコ人;約75%)
 アゼルバイジャン共和国(国民人口約1050万人/テュルク系アズリー人;約91%)
 カザフスタン共和国(国民人口約1880万人/テュルク系カザフ人;約70%)
 トルクメニスタン国(国民人口約705万人/テュルク系トルクメン人;約85%)
 キルギス共和国(国民人口約607万人/テュルク系キルギス人;約73%::テュルク系ウズベク 人;約16%)※容姿的には、日本人にとても似ている人達の国

 ハンガリー共和国のマジャール人は、モンゴル系、或いはテュルク系という見方がなされている。

 ブルガリア共和国のブルガリア人(=テュルク系ブルガールと南スラヴ人のハイブリッド)は、テュルク系と言っても差し支えない気がする。 

非独立国家群及び自治区(名ばかり国家&名ばかり自治区)

ロシア連邦内のテュルク系民族非独立国家及び自治区

ロシア連邦内には、180を超える民族が暮らしている。その内の約9%がテュルク系民族と云われる。

 カバルダ・バルカル共和国(国民約87万人/テュルク系バルカル人;約13%)※主たる国民はカフカス系カバルダ人;約57%
 カラチャイ・チェルケス共和国(国民約47万人/テュルク系カラチャイ人;約41%)
 チュヴァシ共和国(国民人口約130万人/テュルク系チュヴァシ人;約70%)

 タタールスタン共和国(国民人口約400万人/テュルク系タタル人;約55%)
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バシコルトスタン共和国(国民人口約410万人/テュルク系バシキル人;約30%/テュルク系タタル人;約25%)※主たる国民はロシア人;約36%
 アルタイ共和国(国民人口約20万人/テュルク系アルタイ人;約30%)※主たる国民はロシア人;約60%
 ハカス共和国(国民人口約55万人/テュルク系ハカス人;約12%)※主たる国民はロシア人;約82%
 トゥヴァ共和国(国民人口約31万人/テュルク系トゥヴァ人;約82%)
 サハ共和国(国民人口約96万人/テュルク系サハ人;約46%)

あくまでも、テュルク系が最も多くを占めているか、歴史的にはテュルク系であった国を抜粋したつもりだけど、記載しなかった国にもテュルク系の人々は暮らしている。モンゴル・タタール系の国家もある。多分、ロシアのイメージとは相容れない「国」が少なくないと思う。

ウズベキスタン内の非独立共和国

 カラカルパクスタン共和国(国民人口約180万人/テュルク系ウズベク人;約36%/テュルク系カラカルパク人;約32%)

中華人民共和国内の名ばかり自治区

 新疆ウィグル自治区(自治区人口約2600万人/テュルク系ウィグル人;約45%/テュルク系カザフ人;約7%)※約4割の漢民族がどんどん流入してやがては多勢になるのだと思う。漢民族にとって、現在のこの地域の姿は健全じゃないのだろう。でも、そんな事になったなら、”少数派”のウィグル族が大規模蜂起しそうな気はする。

その他にも・・・

ウクライナ共和国のクリミア自治共和国にはクリミア・タタール人がいるが人口比率は約12.5%と少数派。キプロスには、北キプロス・トルコ共和国として独立を目指す人達が在る。アフガニスタンの内戦原因の一つには、ウズベク人などのテュルク系民族による独立闘争がある。イラン・イスラーム共和国の人口の約3割をテュルク系のアゼルバイジャン人・トルクメン人などが占めている。その他色んな国家にテュルク系住民のまとまりが存在している。

Wikipedia先生の参照地図『世界に於ける主なテュルク系民族の分布図』⇩

濃い青色の部分はテュルク系言語を公用語にしている国。薄い青色の部分はテュルク系言語を公用語にしている自治地域。

Wikipedia先生の参照地図『ソ連邦時代のテュルク系民族の分布図』でしょ?⇩

キルギスタンもトルキスタンもテュルク系が圧倒的多数を占めていたでしょうし、ホラズムもソ連になる以前はテュルク化していた地域。そして、ブハラもそうです。つまり、この地域は全てテュルク系の人々が暮らしていたけれど、ソ連に占領されて以降はロシアに”毒されていった”と言って言い過ぎではない。尤も、テュルクじゃなかったのにテュルクに”毒された”と嘆いた人々が昔々存在していた地域がこの地図内の彼方此方に在ったのも間違いない。

今回は、頭整理する為にいきなり現代に飛びましたけど、次回のこのタイトルでは、過去に戻ります。

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